こんにちは、jimominディレクターのsnowmonkeyです。
JIMOMIN100ライフスタイル図鑑第9号は、ベトナム出身のTuyenさんに取材してきました。彼女は日本での暮らしが10年以上。そのうち2年は旦那さまの仕事の都合でボストン、1年はロンドンで生活されていました。最近日本へ帰国されたそうで、今は日本でどのような暮らしをされているのか聞いてきました!
今日本でどんな仕事をしていますか?
週に2回、専門学校でベトナム語を教えています。学校では様々な国籍の講師が働いていて、ランチの時にはいろいろな言語が飛び交っています。
授業はロールプレイを交えた応用会話の練習がメインです。ベトナムの伝統文化の話を交えながら、今流行していることやトレンドの話題を取り入れるように心がけています。授業があるのは週に2回ですが、授業前には授業の構成を考えたり、ベトナムで今何が起こっているのかなどのリサーチを欠かせません。
私はこの仕事が好きです。年間を通した授業カリキュラムを自分で作ることができるので、そのカリキュラムに従い授業のスケジュールを組み立て、教科書やテストも自分で用意します。生徒達は卒業後、大学に編入したり、ベトナム語を使う就職先を見つける方が多く、自分の教え子がベトナムに関係する進路についたと報告を受けると、とても嬉しいです。
授業がない日はどのように過ごしているのですか?
大体毎日決まった生活リズムがあります。
月曜日は大体家にいて、ガーデニングやリビングスタイルの勉強、そして授業の準備をします。火曜日は外出の日。いろいろな予定を入れます。
そして、水曜日、木曜日は授業があります。
金曜日は、まず授業の振り返り。来週に向けてどう改善したらいいのか、次回のトピックのリサーチなどをします。また、自分の子供達の学校の勉強もしなければいけません(笑)
土日は家族と過ごします。夫と一緒に庭の世話をしたり、家族で川や山へ出かけたり、子供のイベントなんかに参加します。コロナ前にはよく友達とお茶をしたりしていましたが、最近は減りましたね。
日本に来るきっかけは何ですか?
ベトナムの大学では心理学を専攻していました。大学卒業後は、専攻の学びを深めるため、機会があればアメリカに行きたいと考えていました。ところが、研究でベトナムを訪れていた現在の夫と出会い、卒業後すぐに結婚。日本に来ることになりました。
日本に来た直後は、もちろん日本のことが全く分かりませんでした。ベトナムとは言葉も文化も全く違います。仕事をするのに日本語の勉強をしなければならなかったので、それをきっかけに着物、お茶、料理など日本の文化を一から学びました。
勉強を続けるうちに、日本人の文化や性格、暮らし方が分かるようになり、日本文化の興味がどんどん深まりました。
日本での生活が長いですが、コロナで何か変わったことはありますか?
やはり、ご近所付き合いが減りました。以前は近所の方から京都料理を教えてもらったり、逆に自宅へ来てもらってベトナム料理を振るまったりしていましたが、そういったことが気軽にできなくなりました。そして、自分の勉強に時間を使うようになりました。
また、趣味のガーデニングをもっと楽しみたかったので、数年かけて物件を探し、1年半程前についに引っ越しました!京都の下鴨エリアはとても落ち着いた住宅街で、子供の教育にも良い環境が整っているので、この場所に決めました。
日本人の面白いところはありますか?
日本人ははっきり言わない、とよく言われますね。私はそういうところも好きなんです。
最初はなんか冷たいなと思いましたが、日本の生活に慣れるとその独特な性格にも納得するようになりました。たとえば、道で自転車に乗っている時にこけた方を見かけました。ですが、誰もその人に駆け寄って「大丈夫ですか?」と声をかけたり、助けたりしなかったんです!
その時は流石に、「日本人はなんて冷たいんだろう」と思いました。後からそれは、こけたことが恥ずかしくて気づかれたくないのであえて声をかけない、と聞きました。とてもびっくりしました!でも、面白い文化だなと思いました。
子供の教育でも、日本では「みんなと合わせる」「同じようにする」という教育方針があります。これはネガティブに捉えられることもありますが、私は団体行動が自然とできるようになる、とても素晴らしいことだと思います。
私はこれまで色々な国へ行ったことがありますが、やっぱり日本は特別です。ここにある文化や日本人の性格は海外から見ても独特で可愛いものだなと思います。
今後の目標を教えてください。
ゆっくりと時間が過ごせる今の暮らしを続けていきたいと思います。
ベトナムは経済が目まぐるしく発展していて、都市ではみんなとても忙しく生活しています。毎年ベトナムに帰って家族と過ごす時間はとても楽しいし、食べ物も美味しく人も明るくて好きですが、ベトナムの急速な変化に、私が少し時代遅れになってしまったように感じる時もあります。ずっと日本にいる私にとっては、生活の仕方やスピード感は日本の方が居心地がいいです。
私は今の仕事が好きなので、もっと良いベトナム語の先生になりたいと思っています。それから、リビングスタイルやガーデニングについて、何か書きたいと思っています。今、オンラインでインテリアやガーデニングの勉強をしていて、そこから学ぶことや、毎日の暮らしの中で自分がいいなと思うことを書き留めています。
私はシンプルな生活へ引き戻してくれるコテージスタイル(※)が好きなので、いつかそんなテーマで暮らしの本を出せたらいいなと思っています。
(※)コテージ 日本語で「小さな家、田舎屋あるいは農家」という意味。都会のコンクリートなど人工的な素材の家ではなく、木や自然の素朴な雰囲気が溢れた、小さな=ほどほどの「家」。
以上、snowmonkey突撃取材でした。
仕事や趣味、母の仕事までこなす、とても勉強熱心なTuyenさん。以前三重県鳥羽市で開催した第一回目のモニターツアーにも参加してくださいました。とても寒い季節の中、地元の方々の外国人受け入れの改善点を熱くディスカッションしました。今回取材でお邪魔したご自宅もとっても素敵で、皆さんに見せたいくらいです…!旦那様と一緒に出したいという暮らしのスタイルブック、とても楽しみにしています!
Tuyenさん、ありがとうございました!
現在jimominでは、日本で就職・起業を目指す外国人の方のための新たな就職支援サービスを準備中です。Webサイトのニュースやメールマガジンでお知らせしますので、今後ともご愛顧くださいますようお願い致します☺