ことわざは、簡単な表現で人生に役立つ大事なことを伝えるものとして、世界中さまざまなものがありますね。ことわざによく登場する動物や物も国によっての違いがあり、その国の文化が感じられておもしろいですよね。
今回は、あなたが頭に浮かべる英語のことわざが、もしかしたら日本のことわざとは違う意味かも?という例を紹介しましょう。
日本では、犬が歩けば災難に出会う
「犬が歩けば棒に当たる」のことわざは、日本のいろはがるたの一番初めの文字「い」の読み札としてあまりに有名です。意味は、犬が出歩けば人が振り回す棒に当たる、つまり人に棒で叩かれるような災難に出会う、という意味です。このことわざの意味するところは、災難に遭わないように「今は何もせずじっとしておけ」という意味なんですね。
恋人と喧嘩してなんとか仲直りしたくて焦れているあなたに、この言葉を伝える日本人の友人がいたら、「バタバタするな!今は何もせず、恋人の出方を待て」ということです。
英語では、犬が歩けばいいことに出会う
Every dog has his day. 似たように犬が使われていることわざです。直訳すると、犬にも犬なりの日がある、つまりよいことが起こる日がある、という意味です。犬は多くの国で活動的な動物のイメージですから、あちこちと歩き回っているうちにいいことに出会うこともあるよということですね。だから「動きましょう!」というメッセージといえます。
同じ犬を使うことわざなのに、意味が真逆です。
今では日本でも2つの意味があります
デジタル大辞典(小学館)によると「犬も歩けば棒にあたる」の意味は2つあります。
1.何かをしようとすれば、何かと災難に遭うことも多いというたとえ
2.出歩けば思わぬ幸運に出会うことのたとえ
完全に反対の意味が今ではどちらも使われるようになっています。このことわざをもし日本人から言われたら、英語から考えて「動け!」ととるのか、日本語の本来の意味から考えて「静かにしておけ!」ととるのか迷いますね。
まとめ
ことわざも日々使われるうちに意味が変わることはよくあります。「犬も歩けば棒にあたる」の意味が反対の意味でも使われるようになったのはなぜでしょうね。
最近では犬を棒で殴るような光景は見られなくなり、災難に遭う犬がイメージできなくなったからでしょうか。動物愛護の考えもどんどん広がっていますから、そういった世の中の変化も大きく影響しているかもしれません。犬は殴る対象という関係から、お友だちという関係になってきた証拠だともとれますね。
興味のある方はどうぞいろいろ考えてみてください。そして何かおもしろいことを思いついたら教えてください!