こんにちは、jimominディレクターのsnowmonkeyです。
JIMOMIN100ライフスタイル図鑑第6号は、大学院生とブロガーを兼業でこなすイスラエル出身のLiliaさんに取材してきました。彼女は以前より極東や日本に興味を持っていたそうで、それをきっかけに京都に住み始め早5年半。日々さまざまな方面にアンテナを張り、自身のブログとSNSで日本文化を発信されています。今回はそんな彼女の日本でのリアルな生活を「学業」と「仕事」の両面からご紹介したいと思います!
京都大学(※1)では新宗教を専攻するLiliaさん。普段は京都市内の自宅や大学エリアのカフェなどでブログ記事の執筆や写真撮影・編集などの仕事をしているそうです。
※1 京都大学 京都大学は学部・大学院、交換留学、短期受入、研究生など、幅広い形で留学生を受け入れています。大学内では10の学部があり、学部教育では1年次から全学共通科目という教養科目を受講します。その後、またはそれと並行して、専門分野の勉強を始めていくことになります。
京都大学公式Webサイト
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/admissions/international
日本に興味をもったキッカケは何ですか?
イスラエルはユダヤ教を中心に宗教と密接に結びついていますが、仏教や神道は言うまでもなく全く別のものです。
異文化と同様に、私は常に宗教に関心を持っていたので、大学では東アジアと心理学を専攻に勉強し始めました。最終的な専門分野を中国か日本か選択しなければならなかったのですが、日本は一番興味がある国だったので迷わずに日本を選びました。
日本は母国のイスラエルとは何もかもが違っていて、そういったところに魅力を感じました。専門分野を日本にしたことで神道や仏教、禅への興味がより深まり、実際に日本に行くことを決めました。
大学ではどんなことを学んでいるのですか?学生生活について教えてください。
私の専攻は地球環境学ですが、研究対象は日本の新宗教です。京都大学を卒業した後、大学院での勉強を続けました。大学院は大学よりも独立しています。自宅から全て作業できるので、ほとんど大学に通うことはありませんし授業もありません。特に最近ではコロナの関係でほぼ全ての講義がオンラインなので、本当に行きたい時以外は行く必要がありません。研究員とのミーティングがある時や家やカフェの雰囲気を変えたい時だけ、大学に行くようにしています。
京都大学への入学申請は、イスラエルの大学にいた最後の年に手続きをしました。現在は大学院生の3年目になります。来年3月に卒業する予定なので(そう願っています!)、今は研究と卒業論文の作成に追われています。
日々ブログで日本の文化を発信されていますが、そもそもなぜブログを始めたのですか?
日本に住み始めてから、母国にいる友人や家族から日本についてたくさん聞かれることが増え、皆日本に対してすごく興味を持っていることを感じました。ですが、「日本人は毎日着物を着ているの?」と古典的な日本のイメージをそのまま持っているようでした。笑
そこで、日本ついてもっとわかりやすく伝えるため、また、日本の暮らしや研究を通じて学んでいることを伝えるために、2018年から Blue-Vagabond を始めました。日本文化ってすごく繊細でわかりにくい部分が多いので、そういったところを正しい情報で伝えたいと思っています。
ブログの主なテーマは日本文化、旅行、暮らし。読者の60%はイスラエル出身の方で、最近では「和菓子」について記事を書きました。
「1本の記事を完成させるのにどのくらい時間がかかりますか?」なんて難しい質問をしてみました。もちろん記事によって様々ですが、Liliaさんは記事のリサーチ、素材の撮影や編集、執筆、SNSの投稿まで全てにこだわり完璧に仕上げたいタイプだそうで、かなり時間がかかるとのことでした!
コロナで仕事になにか影響がありましたか?
特に大きな影響はありませんが、コロナが蔓延する前は料理教室やレストランの紹介記事を書いていました。ですが、ここ2年程はこういった対面イベントが開催できない状態が続いているので、記事のテーマには多少変化がありました。直接飲食店や体験施設へお伺いせず、文化や旅行をテーマにした記事を書くようになりました。
仕事をする場所は以前と変わらず、大体自宅、カフェ、大学で作業をしています。
日本人と会話をする時に難しいと思うことはありますか?
日本人とコミュニケーションをとる時に一番難しいと思うことは「婉曲表現」(※2)です。この日本人独特の表現方法は会話の中で彼方此方に登場します。もちろんビジネスシーンにおいても、お願いする時や断る時に「恐れ入りますが」「お手数ですが」などの「クッション言葉」はよく使います。日本人の相手を気遣い、礼儀を重んじる精神文化のあらわれが、婉曲という表現の中にあるように思います。
※2 婉曲表現
直接的な表現を避け、遠まわしに、または何かに例え、角が立たないような言い回し。相手にとって都合の悪いことを言う場合には、できるだけ自分に敵意が向かないようにする表現方法。
今後の目標を教えてください。
大学院の卒業に関わらず、これからも日本文化を発信し続けていきたいと思っています。今日本に来ることができない方達に向けて、Blue-VagabondやSNSの発信を通して日本に旅行しているかのようなバーチャル体験を伝えていきたいです。
コロナが収束しまた世界中を旅行できる日がやってくることを願っています。特に私が大好きな日本の文化をたくさんの方に体感してもらえることを楽しみにしています。
以上、snowmonkey突撃取材でした。
イスラエルの文化と全く異なる仏教から始まり、ご自身が興味のあることをとことん突き詰める姿勢がとても素敵だなと感じました!Liliaさんは以前開催した瓦葺体験にも参加してくださいました。今後も彼女ならではの視点で、さらに日本文化を広めていってもらいたいです!
コロナが落ち着き、またたくさんの方が日本を楽しめる日がやってきますように。
Liliaさん、ありがとうございました!