「瓦」は、日本で古くから使われてきた屋根タイルのこと。日常に溶け込んでいる日本の伝統文化の一つです。株式会社アドリンクでは、以前「瓦葺き体験」のイベントを開催し、多くの外国人の方に楽しんでもらいました。
日本人にもあまり知られていませんが、実は瓦はその昔インドからやってきたものなのです。この記事では、瓦についてもう少し深い歴史や種類などを紹介しています。
日本の瓦の由来
日本瓦の起源については諸説ありますが、飛鳥時代にインドから中国を通して日本に入ってきたという説が有力なようです。サンスクリット語に「カパラ」という言葉があり、瓦の語源になったのではないかと言われています。
飛鳥時代は、仏教が広がっていった時代です。お寺の建築が増えたことで、瓦を使った屋根が普及していきました。瓦と仏教、意外なところでつながりがあったんですね!
日本瓦の特徴
日本の瓦の特徴は、なんと言っても耐久性と強度が強いことです。日本は自然災害も多く、また、季節によって天候の変化が激しい国。そんな日本の家屋を守ってきたのが、頑丈な瓦です。竜巻や台風などで割れなければ、なんと100年はもつのだそうです。
また、メンテナンスの少なさも日本瓦の嬉しいポイント。特別な塗装などの処理を行わないため、再塗装などが必要ないことも特徴です。
瓦の種類
瓦は時代とともに発展し、産地・仕上げ・形など様々な種類があります。中でも、大きな分類になるのは産地と仕上げです。
産地別
- 三州(愛知県西部)
全国で一番普及しているのが愛知県の三州瓦です。快適性が高いことに加え、耐火性能や耐震性能も高いので一般的な家庭に必要な性能が一通り揃っています。
今朝「小さなアマエビ鬼瓦」が焼き上がりました。
お申込み頂いた方には明日以降順次発送しますが、さすがに全員にすぐにとはいきませんので、よろしくお願い致します。
【申込み受付は終了しております】#アマビエ #アマビエチャレンジ #アマビエ鬼瓦 #鬼福 #鬼福製鬼瓦所 #鬼瓦 #おまじない #三州瓦 pic.twitter.com/2HWqgwEMM3— 鬼福製鬼瓦所 (@onifuku1916) May 18, 2020
- 淡路(兵庫県淡路島)
淡路島で取れる「なめ土」を使っている瓦です。キメが細かく、柔らかい見た目の仕上がりになることが特徴的で、美観性能が高いことが特徴です。また、退色・変色にも強いです。
淡路島の瓦作りの材料と技術で作った #壁材
こだわりの点は質感と色、気軽に実生活に取り入れたいからコスト優先で仕上げはせずにラフなまま。綺麗に仕上げるとコストがかかって高級建材になってしまう。。。伝統を守るための変化。 pic.twitter.com/EAZRDRnPIT
— e-KENZAI (@e_KENZAI) July 7, 2020
- 石州(島根県西部)
赤い色が特徴的な石州瓦は、島根県の西部で作られています。海の近くで生産されているため、塩害性能が高く、腐食・変色・酸性雨にも強いです。
中国山地の田舎や廃屋のある風景ってほかの土地の倍は情緒深く見えて、なんでだろうなあと思ってたんですが、おそらく山の緑と石州瓦の赤い屋根のコントラストがうまくかみ合ってるおかげだと思う。 pic.twitter.com/9FL9EQLRCf
— 道民の人@鄙びた風景写真集boothメロブ等通販中 (@North_ern2) May 29, 2019
仕上げ別
- 釉薬瓦
別名「陶器瓦」や「瑠璃瓦」とも言われています。釉薬といううわぐすりを付けて焼いたもので、表面がガラス室になるため耐久性に優れています。
その4:中が菱形で腕が4本でるのはよくあるけど、こんなに緩やかなカーブを描くのは見たことない。笠木は釉薬瓦で豪華! #透かしブロック pic.twitter.com/jR6PRjytac
— ponta(改悛した) (@ponta70718103) February 15, 2020
- 無釉薬(いぶし)瓦
釉薬を加えないで焼いたものです。仕上げにいぶし加工をし、炭素の膜を作るため「いぶし瓦」とも言われています。
東京NO.1ゆるキャラ「にしこくん」が、いぶし瓦コースターになりました!やねよろず商店で販売開始!#にしこくん #あぶみ瓦 #いぶし瓦 http://t.co/JmIXduJJxf pic.twitter.com/O2Hm9fa2pP
— やねよろず (@yaneyorozu) June 8, 2014
瓦は日本人の知恵を積み重ねて作られた伝統文化
いかがでしたでしょうか。様々な素材や性能を誇る日本の瓦ですが、台風や地震などの災害とともに生きるための日本人の知恵を積み重ねて作られた伝統文化となっています。しかしながら、高層ビルなどが普及したことにより、若者の瓦離れが深刻なことも事実。瓦を葺く職人が減ってきていることは、想像に難くありません。
瓦の伝統を継承していくには、まずは瓦について多くの人に知ってもらうことが第一歩となります。この記事が、少しでも人々に瓦について興味を持っていただけるきっかけになれば幸いです!